入退室管理システムは、企業や施設のセキュリティを強化し、従業員の労務管理を効率化する重要なツールです。しかし、種類が多くどんなものを選べばよいのか悩みがちです。この記事では、入退室管理システムの基本的な仕組みと、導入時に考慮すべきポイントを分かりやすく解説します。
入退室管理システムの基本機能とは？
入退室管理システムは、セキュリティの向上を目的とし、オフィスや施設における人の出入りを管理するシステムです。
基本機能は主に認証機能、履歴管理、リアルタイムモニタリングの3種類に分類できます。ここからは、それぞれの機能について詳しく解説していきます。
認証機能
基本的な機能の中で最も重要な要素のひとつが、認証機能です。
施設やオフィスにアクセスする人が許可された人物であるかどうかを確認する仕組みで、セキュリティの要と言えます。認証方法には主に次の3種類があり、それぞれの特性に応じて企業や施設で選択されます。
・IDカード認証
IDカードを専用のリーダーにかざすことで認証する仕組みです。
従業員ごとにカードが発行され、カードを使って個別のアクセス権限を設定できるため、特定のエリアへの出入りを管理するのに適しています。導入コストが比較的低く、操作が簡単なことから多くの企業で採用されています。
・生体認証
指紋認証、顔認証など個人固有の身体的特徴を用いる認証方法です。セキュリティや精度は高いですが、導入コストが高めです。
・QRコード認証
各種専用アプリを使用することで認証します。
とくに非接触型のシステムが求められる場面に効果的な認証方法です。
履歴管理機能
入退室管理システムの基本機能2つ目は、履歴管理機能です。
この機能により、誰がいつどの場所に入退室したかを記録し管理することが可能です。企業は、従業員や訪問者の入退室データをリアルタイムで把握でき、セキュリティ強化とトラブルの早期解決に役立てられます。
さらに、履歴データは労務管理にも活用でき、出退勤時間の記録が自動化されるため、手作業のミスや不正を防ぎます。システムによっては、長期間のデータ保存やレポート出力が可能なものもあり、監査や法令遵守に対応する場面などでも幅広く活用されているのです。
リアルタイムモニタリング機能
入退室管理システムの基本機能3つ目は、リアルモニタリング機能です。
この機能により、誰がいつどこに入退室しているかを瞬時に把握できます。そのため、不審な動きや不正なアクセスが発生した場合、即座に対応することが可能になりリスク管理に役立ちます。以上の内容から、複数の拠点を持つ大規模な施設や企業には最適な機能と言えます。
退室管理システムを選ぶポイント
入退室管理システムを導入する際に、事前に把握すべきポイントが3つあります。
システムを導入する企業の規模や目的に応じて必要な機能が異なるためです。導入前に確認すべき具体的なポイントは次の3つです。
システムの認証方法の把握
高セキュリティが求められる企業などには精度が高い生体認証システムが最適です。
また、コストや導入の容易さを考慮する企業にはIDカード方式が最適です。このように、企業の目的や規模によってシステムの認証方法を選ぶことが重要です。
履歴管理機能についての把握
セキュリティが重要な企業や、厳格な労務管理が求められる企業は履歴管理機能があると安心です。
重要なデータや機密情報を扱う場所では、誰がどこに出入りしたかを正確に記録し、不正アクセスや情報漏洩を防ぐ必要があります。
また、労働時間の厳格な管理が求められる企業では、従業員の出退勤履歴を自動的に記録できるので、正確な労務管理が可能となり、コンプライアンスの強化にもつながります。このように、企業ごとに重視すべき機能が異なるため、優先事項を把握しシステム導入を決めましょう。
システムの拡張性の把握
将来的に社員数や企業拠点数の増加の予定がある場合は、容易にシステムを拡張できるかどうかといった点も把握すべきです。
システム導入の手間についても調べておきましょう。
企業で求められる入退室管理システムの役割とは？
入室管理システムは、さまざまな企業や施設でセキュリティと効率を高めるために不可欠なツールです。
ここでは、企業ごとに必要と考えられるシステムの役割について解説していきます。
保険会社や金融機関で求められるシステムの役割
重要な顧客情報や資産が扱われているため、高度なセキュリティと履歴管理機能が求められます。
具体的には、カードキーや生体認証を使用したアクセス制御可能なものが最適です。
研究機関で求められる役割
機密性の高いデータや機材が使用されるので、これらを保護できるものが必要です。
具体的には、生体認証やICカードによる個別認証、履歴管理機能です。アクセス権限を細かく設定できるシステムであればさらに安全性が保たれます。
製造業で求められる役割
労働安全や資産の保護が重要ですので、セキュリティと効率の両方を重視したものを選択します。
不正な立ち入りを防ぐための認証機能や履歴管理機能、またリアルタイムモニタリング機能も重要です。
教育機関で求められる役割
多くの学生や職員が出入りするので、セキュリティ確保の目的でカード認証や生体認証が導入されています。
また、履歴管理機能も生徒の居場所を把握できるため迅速のためには大変便利です。
まとめ
入退室管理システムは、企業や施設のセキュリティと労務管理を効率化するために欠かせないツールです。認証機能、履歴管理、リアルタイムモニタリングなど基本機能を活用し、誰がいつどこにアクセスしたかを正確に把握できるのです。導入時には、企業の規模や目的に応じて適切なシステムを選ぶことが重要で、特に認証方法や履歴管理機能、システムの拡張性を考慮することがポイントです。以上のように、職種ごとに重視するべき機能が異なるため、重要視すべき点を見極めたうえで導入しましょう。
