共連れとは、入退室の際に2人以上が出入りすることを指す俗称です。共連れを放置すると、関係者ではない人間の入室といった問題が発生します。そこで今回は、共連れを防止する方法や、防止策として有効な入退室管理システムを導入するメリットを紹介します。本記事を参考に、入退室におけるセキュリティをより強固にしましょう。
共連れの防止策3選
共連れの防止策には主に3つの方法があります。それぞれのメリットとデメリットを以下に解説します。
セキュリティゲート
セキュリティゲートは、セキュリティが求められるエリアの出入り口に設置し、一度の認証で1人だけ通過できるようにする方法です。代表的な方式にはフラッパー式とアーム式があります。
フラッパー式では、フラップが自動で開閉し、入室者を認証後に通過可能にします。一方、アーム式では、回転アームを手動で操作して入室する流れです。
メリットとしては、自動認証による警備スタッフの人件費削減が挙げられますが、設置場所や費用が必要で停電時には機能しなくなるリスクがあります。
監視カメラ
監視カメラを設置して、リモートでモニタリングし、共連れの証拠を保存する方法もあります。最近では顔認証システムを搭載したカメラも増えており、通過者の人数をカウントし、アラームで警告する機能もあります。
監視カメラのメリットは、トラブル発生時に録画データを証拠として使用でき、犯罪や不正の抑止力としても機能する点です。ただし、プライバシーの侵害や録画データの取り扱い、ネットワークを通じたリスクがデメリットとして挙げられます。
インターロックゲート
インターロックゲートは、1人ずつしか入退室できないように構造されている二重扉のゲートです。片方の扉が開いている間はもう片方の扉が開かない仕組みで、複数のセンサーにより2人以上の同時通行を防ぎます。
メリットとしては、共連れやすれ違いの防止が挙げられます。しかし、設備や設置スペースが必要で、コストが高くなる点がデメリットです。
入退室管理システムにおける認証方法を紹介
共連れ防止のためには、入退室管理システムを利用して「いつ」「誰が」「どこに」入退室したのかを把握することが効果的です。以下に、主要な認証方法とその特徴、導入にあたっての注意点を解説します。
暗証番号
暗証番号を用いる認証方法は古くから広く利用されています。ドアに取り付けた機器に暗証番号を入力するだけで扉を開錠できます。専用機器の設置だけで済むため、低コストで導入可能です。しかし、暗証番号が漏れた場合には部外者でも簡単に入室できるリスクがあります。
ICカード
ICカードによる認証は、社員証に埋め込まれたICチップを読み取る方法で、スムーズな入退室が可能です。最近では交通系ICカードによる認証も増加しています。カードをかざすだけで認証が完了するため、利用者にとって便利です。一方で、カードの盗難や偽造によって不正入室されるリスクがあります。
スマートフォン
スマートフォンを用いる認証方法も増加しています。専用アプリをスマートフォンにインストールすることで、ICカードの配布コストや手間を削減できます。
しかし、スマートフォンによる認証システムはまだ普及が進んでおらず、導入できるシステムが限られています。また、電池切れや故障により入退室できなくなる可能性があるため、その点にも注意が必要です。
生体認証
生体認証には「指紋認証」や「顔認証」などがあります。これらの方法は、登録者本人以外は認証されず、非常に高いセキュリティレベルを提供します。
生体情報は個々に異なるため、なりすましを防止できるうえ、電池切れや紛失によるトラブルも発生しません。ただし、指紋や顔の登録には時間がかかり、認証精度に個人差が出ることもあります。
入退室管理システムを導入するメリット
入退室管理システムの導入には、部外者の侵入防止や共連れ防止以外にも、以下の2つの主要なメリットがあります。
セキュリティ対策のコスト削減
入退室管理システムを導入することで、守衛や警備員の配置が不要となり、セキュリティコストを削減できます。人によるチェックの見落としリスクも軽減されますが、共連れの可能性には注意が必要です。セキュリティをさらに強化するためには、監視カメラの併用が効果的です。
勤怠管理の効率化
システムを導入すると「いつ」「誰が」「どこに」入退室したかが記録され、従業員の勤務時間や出勤状況を把握できます。勤怠管理システムと連動すれば、勤務時間や休日出勤の管理が効率化され、残業時間のリアルタイム把握にも役立ちます。これにより、過度な残業の抑止にもつながります。
まとめ
入退室管理システムは、単なるセキュリティ対策以上の価値を提供します。共連れ防止策として、セキュリティゲートや監視カメラ、インターロックゲートの導入が有効です。それぞれ、セキュリティ強化や共連れ防止に特化しており、特性に応じて選べます。さらに、システム導入により、セキュリティコストの削減と勤怠管理の効率化が実現します。これにより、部外者の侵入を防ぐと同時に、業務の効率を向上させ、過度な残業の抑制にもつながります。本記事を参考に、ぜひ入退室管理システムの導入を検討してみてください。