企業の情報資産を守り円滑に事業を進めること、そして顧客や取引先からの信用を守るために欠かせないのがオフィスセキュリティです。ここではオフィスセキュリティの重要性やセキュリティ上のリスクについて、おすすめの対策方法もご紹介します。
オフィスセキュリティの重要性
オフィスセキュリティ対策を行ううえでまず知っておきたいのが、オフィスセキュリティの重要性です。なぜオフィスセキュリティを強化する必要があるのか、そしてオフィスセキュリティ対策が求められるようになった背景についてもチェックしていきましょう。
個人情報保護法の遵守
企業で個人情報をひとつでも扱っている場合は、企業の規模に関わらず個人情報保護法を遵守しなければなりません。令和4年4月1日から施行された改正個人情報保護法では個人情報を扱う事業者が守るべき責務が追加され、懲役刑の期間延長や罰金刑の増額など、ペナルティも強化されています。
そのため万が一個人情報の漏洩があると、法律を遵守できない企業であるというイメージを持たれてしまい経営にも大きな損失をもたらす可能性があります。もちろんこれは個人情報に限らず財務情報や取引先の情報など、すべての情報にいえることです。だからこそ、オフィスセキュリティ対策を行い徹底的に情報漏洩を防ぐことが求められているのです。
サイバー犯罪の増加
近年では社内ネットワークに不正アクセスをして機密情報を盗んだり悪用したりするサイバー犯罪の数も増加しており、これもオフィスセキュリティ対策が重視されるようになった要因のひとつとなっています。「経済犯罪実態調査2020」の報告によると、日本企業が過去2年間に遭遇した経済犯罪・不正の第1位がサイバー犯罪です。このことからも、どのような企業であってもセキュリティ対策が急務といえるでしょう。
オフィスにおけるセキュリティリスク
オフィスセキュリティ対策を行うためには、オフィスにおけるセキュリティリスクについても把握しておくことが大切です。ここではオフィスで発生する可能性のあるリスクについてご紹介します。
人的リスク
従業員や経営者などオフィス内にいる人の身体に関するリスクが「人的リスク」です。オフィスセキュリティが徹底されていないために不審者が侵入し、オフィス内にいる人に怪我を負わせる可能性があります。このようなリスクを避けるためには、不審者を立ち入らせないためのセキュリティ対策が求められます。
物的リスク
オフィス内にある現金やパソコン、オフィス家具や従業員の貴重品など、金銭的価値のあるものに関するリスクが「物的リスク」です。たとえば空き巣や強盗が侵入し、これらが盗まれたり壊されたりする被害を防ぐためにもオフィスセキュリティの強化が必要です。
また盗難以外にも社用車へのいたずらや、インフラ設備を壊されるなどのリスクも考えられます。さらに自然災害による建物への被害やオフィス内の書類や物品の紛失など、予期せぬ事態に備えることもセキュリティ対策の一貫といえます。
情報リスク
社内データの流出や情報漏洩に関するリスクを「情報リスク」といいます。サイバー犯罪のように外部からの攻撃によってデータが流出することのほかに、従業員によるパソコンの誤操作や機密書類の持ち出しなどでも情報は簡単に漏洩してしまうのです。そのためオフィスセキュリティの強化はもちろん、従業員への情報管理に対する教育も徹底する必要があるでしょう。
おすすめのオフィスセキュリティ対策
これからオフィスセキュリティ対策を行うのなら、どのような対策方法があるのかを知っておく必要もあります。ここではたくさんのオフィスセキュリティのなかから、おすすめのセキュリティ対策をご紹介するのでぜひ参考にしてみてください。
ゾーニング
オフィスには誰でも自由に入退室できるエリアや、業務エリア、打ち合わせ用のエリアなどさまざまなエリアがあり、その特性によってセキュリティの重要度が異なります。そこで実施したいのがセキュリティレベルに応じてオフィスを区分けする「ゾーニング」です。企業や顧客にとってより重要なゾーンには高いレベルのセキュリティ対策を行います。
ゾーニングではおもに4つのゾーンに区分けします。
・来訪者ゾーン:受付やロビーなど目的を持つ来訪者が利用するゾーン
・パブリックゾーン:エントランスや廊下、エレベーターなど誰でも自由に出入りできるゾーン
・内部ゾーン:執務室や休憩室など許可を得た従業員が利用できるゾーン
・機密ゾーン:役員室、サーバールーム、個人情報管理室など企業の最重要機密を保管するゾーン
セキュリティカメラの設置
人通りの多いエントランスや受付、また閉ざされた空間であるエレベーターや重要情報を管理する部屋など、さまざまな場所のセキュリティに有効なのがセキュリティカメラの設置です。カメラが設置されているだけで防犯の抑止力に繋がり、万が一犯罪や社内でのトラブルが起きた場合の原因究明や証拠としても活用できます。
金庫の活用
企業にとって最も重要な情報は、ゾーニングしたなかで最もセキュリティレベルの高い場所かつ、金庫を活用して保管することが理想です。耐火性や防盗性能にすぐ得れており、セキュリティの高い施錠方法を採用しているものを利用すれば窃盗はもちろん自然災害などの際にも紛失や破損を回避できる可能性が高いです。
入退室管理システムの導入
入退室管理システムを導入することで不審者の侵入を防止することができ、あらゆるリスクへの回避に繋がります。入退室管理システムは誰がいつ入退室したのかを把握できるので、万が一情報漏えいなどのトラブルが発生した場合も原因を追求する方法として役立ちます。
企業資産を守るために最適なセキュリティ対策を
企業の信頼を守り順調な経営や運営を行っていくために、適切なオフィスセキュリティを行うことが求められています。さまざまな犯罪やリスクが増えている昨今、社員が安心して働ける企業や社内外から信頼される企業であり続けられるよう早急にオフィスセキュリティを実施しましょう。