オフィス移転は「働く環境を変えるだけ」ではありません。セキュリティを再設計し、より安心・効率的なオフィスをつくる絶好のチャンスです。
この記事では、移転時に見直すべきセキュリティ対策を初心者にもわかりやすく解説します。
CONTENTS
1.はじめに|オフィス移転は“セキュリティを見直すチャンス”
オフィスの移転は、単に「新しい場所に引っ越す」だけではありません。このタイミングこそ、セキュリティ環境を一新できる絶好のチャンスです。多くの企業では、これまでのオフィスで使っていた鍵・カード・ネットワーク設備をそのまま引き継いでしまうことがあります。
しかし、それでは古い運用ルールやリスクも一緒に持ち越してしまいかねません。新しいオフィスでは、建物の構造や出入口の数、ネットワーク環境もまったく違うため、移転の計画段階からセキュリティを見直すことがとても重要です。
この記事では、「オフィス 移転 セキュリティ」というテーマで、
・なぜ移転時にセキュリティ対策が大切なのか
・どんな対策を優先すべきか
・初めての担当者でもできるチェックポイント
を、初心者の方にもわかりやすく解説します。「難しい用語はよく分からないけど、安全で安心できるオフィスを作りたい!」という方にぴったりの内容です。
2.オフィス移転でセキュリティが大切な理由
①情報漏えい・盗難リスクが増えるから
オフィス移転では、多くの荷物・書類・パソコン・サーバーが一時的に移動します。その過程で、「どこに何があるのか分からなくなる」ことがよくあります。特に、顧客情報や社員データなどの個人情報を扱っている企業では、一度でも紛失・漏えいが起きると信用を大きく損ねるリスクがあります。
移転作業=荷物が動く=セキュリティが緩む時期。
この認識を持つだけでも、防止の意識が高まります。
②建物や設備が変わるから
新しいオフィスでは、出入口の数・構造・配線ルート・共有スペースなどが前の職場と異なります。古い鍵管理や入退室ルールのままでは、「どこまで誰が入れるのか」や「誰が最後に施錠したのか」が曖昧になりがちです。
移転のタイミングで、入退室管理システムやスマートロックを導入すれば、鍵の受け渡しや紛失リスクを減らし、社員もスムーズに出入りできます。
③ネットワークや情報環境もリセットされるから
引っ越しを機にネット回線やWi-Fi機器を入れ替える企業は多いですが、このとき古いルーターや設定情報をそのまま流用すると、セキュリティが弱いまま新しい環境に持ち込むことになります。
LAN配線・VPN設定・クラウドのアクセス権など、“情報の入り口”を見直すチャンスとして、移転前に整理しておきましょう。
④ルールを新しく定義できるから
オフィス移転は、社員の働き方やルールを変える絶好のタイミングでもあります。
たとえば、
・「誰が・どの部屋に・何時まで入れるか」
・「パソコンや機密書類はどこで保管するか」
・「退職者のアカウントや鍵をどう処理するか」
こうしたルールを新オフィスに合わせて見直せば、ヒューマンエラーによるトラブルを防ぐ“仕組みづくり”ができます。
⑤コストをかける価値がある投資だから
セキュリティは「お金がかかるもの」と思われがちですが、移転と同時に導入すれば工事や設計をまとめて行えるため、結果的に費用を抑えられます。後から個別対応するよりも、「最初にまとめて設計する方が安くて安心」なのです。
この章のまとめ
オフィス移転では、設備もルールもリセットできる“再構築のチャンス”です。安全なオフィスを作るためには、「モノ」「情報」「ヒト」を一緒に見直すことが大切。次の章では、移転時にまず取り組むべき3つのセキュリティ対策を具体的に見ていきましょう。
3.まず見直すべき3つのセキュリティ対策(物理・情報・人的)
オフィス移転時のセキュリティは、難しく考える必要はありません。最初に見直すべきは、「物理・情報・人」の3つです。この3つを押さえるだけで、移転後のトラブルを大きく減らせます。
①物理セキュリティ:出入りを“見える化”する
オフィスの安全を守る一番の基本は、人の出入りをコントロールすることです。新しいオフィスでは、入退室管理システムやスマートロック、防犯カメラなどを導入し、「誰が・いつ・どこに入ったのか」を記録しておきましょう。
主な対策例
・スマートロック/入退室管理システム:鍵の受け渡しや紛失のリスクをゼロに。
・防犯カメラ:受付や裏口、サーバ室など死角をなくす配置に。
・ゾーニング設計:部外者が入れないエリアを明確に分ける。
ポイント:物理セキュリティは「アクセスを見える化」することが最重要。可視化することで、不正侵入や情報漏えいを未然に防げます。
②情報セキュリティ:データを“持ち出されない仕組み”に
次に大切なのが、社内データを守る仕組みづくりです。オフィス移転ではネットワークやサーバの再構築が発生するため、古いルーターやNASをそのまま使うと危険です。
主な対策例
・ネットワークの暗号化:Wi-FiやVPNの再設定を必ず実施。
・アクセス権の整理:部署ごとに閲覧・編集権限を見直す。
・クラウドサービスの利用:ファイルを共有サーバで一元管理し、ローカル保存を減らす。
・退職者アカウントの削除:移転時に不要なID・権限をまとめて整理。
ポイント:情報漏えいの多くは“人的ミス”です。アクセスできる範囲を制限するだけで、リスクを大幅に減らせます。
③人的セキュリティ:社員の“行動ルール”を整える
どんなに最新設備を導入しても、人の意識が低いとセキュリティは守れません。移転をきっかけに、社員全員で「新しいオフィスのルール」を共有しましょう。
主な対策例
・セキュリティ研修:新オフィスの入退室・情報管理ルールを説明。
・持ち出しルール:PC・書類の社外持ち出しを申請制に。
・清掃・廃棄ルール:紙書類やUSBをそのまま捨てない。
・緊急時対応マニュアル:紛失・侵入・停電時の行動を事前共有。
ポイント: “設備で守る”だけでなく、“人が守る文化”を作ることが重要です。日常的に声かけ・教育を続けることで、社員の意識も自然と上がります。
この章のまとめ
オフィス移転では、まず「物理」「情報」「人」の3つの角度から見直しましょう。
物理対策:出入りを管理して“入らせない仕組み”をつくる。
情報対策:ネットワーク・アクセス権の整理で“漏らさない仕組み”をつくる。
人的対策:教育とルールで“うっかり防止”の文化をつくる。
これらを押さえておくと、移転後のオフィスは“安全で働きやすい空間”に変わります。次の章では、移転前にやっておくべき準備を、チェックリスト付きで紹介します。
4.移転前にやっておくべき準備(チェックリスト付き)
オフィス移転でセキュリティを万全にするには、「移転してから考える」のではなく、準備段階でどこまで整えるかが成功の分かれ道です。ここでは、初心者でもすぐに実践できる“事前準備のステップ”を、わかりやすくチェックリスト形式で紹介します。
①現オフィスの「資産」を棚卸しする
移転前にまずやるべきは、今ある資産の整理です。「何を持っていくのか」「何を廃棄するのか」を決めることで、情報漏えいのリスクを大きく減らせます。
チェックポイント:
□ 社員PC・スマートフォン・サーバーの台数と管理番号をリスト化した
□ 重要書類やUSBメモリなどの紙・物理資産を確認した
□ 廃棄予定のパソコンや複合機はデータ消去・破棄証明書を依頼した
□ 旧オフィスのセキュリティカードや鍵を全員から回収する予定を立てた
②新オフィスの構造・条件を確認する
次に、新しいオフィスのセキュリティ条件を把握しておきましょう。出入口の位置や数、ビル全体の警備システムによって、必要な対策は変わります。
チェックポイント:
□ 出入口の数・位置・施錠方法を確認した
□ 共有エントランスやエレベーターホールなど、警備会社の範囲を把握した
□ 壁や天井裏の配線ルート・LAN配管を確認した
□ サーバー室・会議室など、施錠が必要なエリアを洗い出した
③ゾーニング設計をして「誰がどこに入れるか」を決める
オフィス全体を一律のセキュリティにするより、エリアごとに強さを変える方が効率的です。たとえば「受付・執務・サーバ室」を分けて、アクセスできる人を決めておきましょう。
チェックポイント:
□ 執務エリア・来客エリア・機密エリアを分けた
□ エリアごとにアクセス権限(社員/管理職/来訪者)を設定した
□ 来訪者は一時的な入館キー(QRコード・PIN)を発行できるようにした
□ 出入口ごとの解錠方式(IC・暗証・顔認証など)を決めた
④専門業者と早めに打ち合わせる
セキュリティ設備は、移転工事のスケジュールと並行して設計するのが理想です。内装が完成してからでは、配線や扉の追加工事が難しくなる場合があります。
チェックポイント:
□ 入退室管理システムやスマートロック業者に現地調査を依頼した
□ ネットワーク工事・電気工事・警備契約のスケジュールを調整した
□ 緊急時(停電・通信断)のバックアップ対応(UPSなど)を確認した
□ 導入前にデモ・試験運用を行い、社員の操作性を確認した
⑤社員への共有と教育も忘れずに
設備を整えるだけでは、セキュリティは完成しません。新しい仕組みを社員が正しく使えるように、周知・教育をしておきましょう。
チェックポイント:
□ 移転前に「セキュリティ説明会」を実施した
□ 新しい入退室ルールや持ち出し制限を社内チャット・掲示で共有した
□ 紛失・不具合が起きた際の連絡手順・対応マニュアルを用意した
□ 社員からの質問をまとめてFAQ(社内用)を作成した
まとめ:準備8割でセキュリティ移転は成功する
オフィス移転のセキュリティ対策は、「移転前の準備」がすべての基盤になります。
・現オフィスの棚卸しで「持ち込まないリスク」を減らす
・新オフィスの構造を把握して、エリア別に守りを設計する
・専門業者と早めに相談し、導入・運用のイメージを固める
これらをチェックリスト化して進めれば、移転当日も慌てることなく、スムーズに“安全な新オフィス”をスタートできます。
5.移転後すぐにやるべきセキュリティチェック
オフィスの引っ越しが終わって一安心ですが、本当のスタートはここからです。新オフィスでは、初日から安全に業務を始めるために「最初の点検」が欠かせません。
この章では、移転直後に確認しておくべきセキュリティ項目を分かりやすくまとめました。
①鍵・入退室の動作確認
全ての扉が正しく開閉できるかを確認しましょう。特にスマートロックやカードリーダーを導入した場合は、社員全員のアクセス権が正しく設定されているかをテストします。
二重チェック(IC+暗証など)が必要な扉では、時間帯や条件によって誤作動がないか確認します。
管理者用・来訪者用のログイン権限もテストし、履歴が正しく記録されているかを確認します。
チェックリスト
・扉ごとの開閉・自動施錠の動作確認
・権限ごとの認証テスト(社員・管理職・ゲスト)
・入退室ログの記録と出力確認
②ネットワーク・通信セキュリティの確認
オフィスのインターネット環境が安定していないと、入退室管理システムや防犯カメラにも影響します。移転後すぐに、ネットワーク周りを安全に動かせるかを点検しましょう。
チェックリスト
・社内Wi-Fiの暗号化(WPA2以上)
・VPN設定が正しく機能している
・ファイアウォールが有効になっている
・使用していない旧ルーター・HUBは撤去済み
・サーバー・NASのアクセス制限が設定済み
💡ポイント
旧オフィスで使っていた機器をそのまま利用する場合は、初期化して再設定を必ず行いましょう。過去の情報や脆弱性が残っているケースもあります。
③防犯カメラ・監視システムのチェック
セキュリティカメラが設置されていても、録画や保存ができていないケースは意外と多いです。移転直後に映像・録画・アラート通知を必ずテストしましょう。
チェックリスト
・すべてのカメラが稼働している
・録画データが保存・再生できる
・夜間・休日の監視モードが有効
・通知設定(メール・チャット)が動作している
ポイント
クラウド保存型カメラの場合は、保存期間(例:30日・90日)を確認しておくと後の監査がスムーズです。
④社員アカウント・アクセス権の最終確認
移転時は社員の部署移動や新入社員の入社が重なることが多く、アカウント管理が煩雑になります。「使えない」「入れない」「退職者の権限が残っている」といった問題を避けるために、次の確認を行いましょう。
チェックリスト
・全社員のアカウントが稼働している
・退職者・外部委託の権限は削除済み
・管理者アカウントが複数存在しない(権限の集中を防止)
・社内システムのアクセス履歴を確認
ポイント
入退室データと勤怠システムを連携しておくと、出社状況をリアルタイムで確認できます。
⑤緊急時の連絡・避難ルールを全員に共有
どれだけ設備が整っていても、「いざという時にどう動くか」が共有されていないと意味がありません。全社員に緊急時の行動ルールを伝え、避難訓練や通報テストを早めに行いましょう。
チェックリスト
・停電・火災・侵入時の緊急連絡先を共有
・非常口・避難経路を確認済み
・通報テスト・非常放送の動作確認
・社員へのセキュリティ説明会を実施
ポイント
「安全のルールを定着させる」には、一度説明して終わりではなく、定期的に再周知することが大切です。
この章のまとめ
オフィス移転直後は、“慣れていない+設定が新しい”状態。つまり、ミスや抜け漏れが起きやすい時期です。
・鍵・アクセス権 → 動作チェック
・ネットワーク → 暗号化&不要機器撤去
・カメラ → 録画・通知確認
・社員アカウント → 権限整理
・緊急対応 → 全員に共有
この5つを押さえれば、移転初日から安全に業務をスタートできます。
6.よくあるトラブルと防ぎ方
オフィス移転後は、設備も人も「新しい環境」に慣れていないため、小さなトラブルが起こりやすい時期です。ここでは、移転後によくある5つのセキュリティトラブルとその防ぎ方を、初心者の方にもわかりやすくまとめました。
①鍵やICカードの紛失
トラブル例:
社員や清掃業者が使っていたICカードを紛失し、後から不正に使われる可能性が出てしまった。
防ぎ方:
・物理カードの代わりにスマートロックや顔認証を導入すると、紛失リスクが大幅に減少。
・カード型を使う場合は、紛失時の即時無効化設定を必ず行う。
・権限一覧を月1回の棚卸しで確認し、退職者や外部業者のカードを確実に無効化。
②古い機器やネット設定をそのまま流用
トラブル例:
旧オフィスで使っていたWi-FiルーターやHUBをそのまま使用し、古いパスワード設定や脆弱な暗号化のまま稼働してしまう。
防ぎ方:
・ルーターやネット機器は移転を機に新調または初期化。
・WPA3など最新の暗号化方式を設定し、管理者パスワードも変更。
・社員用・来客用Wi-Fiを分離ネットワーク化することで、情報漏えいを防止。
③来訪者や外部業者の出入り管理が曖昧
トラブル例:
オフィス工事や引っ越し業者など、短期間だけ出入りする人の管理が不十分で、後から「誰がいつ入ったか分からない」状態に。
防ぎ方:
・来訪者はQRコードや一時PINでの入館キー発行を導入。
・入館履歴を自動で残せる入退室管理システムを活用。
・紙の入館簿は廃止し、クラウド管理に統一する。
④社員のルール理解不足
トラブル例:
社員が新しいオフィスのセキュリティルールを把握しておらず、「USBを差しっぱなし」「個人端末を社内Wi-Fiに接続」など、思わぬ抜けが発生。
防ぎ方:
・移転初週にセキュリティ説明会を開催し、ルールを再周知。
・チャットや掲示板で定期的なリマインドを行う。
・新入社員・派遣社員向けに簡易マニュアルを作っておく。
⑤設備トラブル時の対応フローがない
トラブル例:
スマートロックや防犯カメラが故障しても、誰がどこに連絡すべきか分からず、復旧まで時間がかかってしまう。
防ぎ方:
・メーカー・業者の連絡先をまとめた「緊急対応表」を共有。
・管理者1名ではなく、複数人で運用権限を持つ体制にする。
・定期点検(3か月〜6か月ごと)を契約に含めておくと安心。
この章のまとめ
オフィス移転後のトラブルは、どれも「想定していなかった」「共有が足りなかった」ことが原因です。
・紛失防止 → スマートロック・無効化ルール
・機器更新 → ネット設定の初期化と暗号化
・来訪者 → QR・一時キー管理
・社員教育 → 定期周知
・トラブル対応 → 緊急連絡フロー
この5つを押さえておけば、移転後の“慣れない期間”も安心です。
7.オフィスセキュリティ導入チェック表&導入フロー(14日モデル)
ここまでで「どんな対策が必要か」は理解できたと思います。この章では、実際にオフィス移転時にセキュリティ対策を導入するための手順を、初心者でも迷わず進められるように、チェック表とスケジュール形式で紹介します。
導入前チェックリスト(準備段階)
| 項目 | 内容 | 状況 | |
|---|---|---|---|
| 1. 現状整理 | PC・サーバ・書類などの資産を棚卸し | ☐完了 / ☐未完 | |
| 2. 新オフィス確認 | 出入口・共有部・配線・警備システムの把握 | ☐完了 / ☐未完 | |
| 3. ゾーニング設計 | 機密・共有エリアを分けてアクセス制限設定 | ☐完了 / ☐未完 | |
| 4. システム選定 | スマートロックや入退室管理システムを比較・選定 | ☐完了 / ☐未完 | |
| 5. 業者打合せ | 内装・電気・ネット・セキュリティ業者を連携 | ☐完了 / ☐未完 | |
| 6. 社員教育準備 | 新ルール・緊急対応の共有資料を作成 | ☐完了 / ☐未完 | |
| 7. 試験導入 | 主要扉1〜2か所でシステム動作テスト | ☐完了 / ☐未完 | |
| 8. 運用ルール整備 | 権限付与・紛失時対応・監査方法を明文化 | ☐完了 / ☐未完 | |
ポイント:
「まず1か所だけでテスト」→「社員の声を聞く」→「全体展開」この3ステップで失敗を防ぎながら効率的に導入できます。
14日導入フロー(スケジュール例)
| 日程 | 内容 | 担当 | |
|---|---|---|---|
| Day 1〜3 | 現オフィスの資産棚卸し(書類・機器・鍵) | 総務・情シス | |
| Day 4〜5 | 新オフィスの構造・配線確認、ゾーニング設計 | 総務・内装業者 | |
| Day 6〜7 | スマートロック・入退室管理の候補比較・見積依頼 | 総務・経理 | |
| Day 8〜9 | 業者打ち合わせ/デモ導入(1〜2扉で試験運用) | 導入業者・総務 | |
| Day 10〜11 | ネットワーク・防犯カメラの設置・連携確認 | 情シス | |
| Day 12 | 社員説明会(入退室ルール・緊急時対応) | 総務・人事 | |
| Day 13 | 動作テスト(全扉/認証権限/ログ確認) | 総務・導入業者 | |
| Day 14 | 全社運用開始!不具合対応・改善点の記録 | 総務・全社員 | |
アドバイス:
・工事や配線作業は、夜間・休日に実施できるよう早めにスケジュールを確保。
・「内装→セキュリティ→ネットワーク」の順に並行進行すると効率的です。
・開始後1週間は、総務・情シス担当が常駐し、社員の質問対応を行いましょう。
運用開始後の定期チェック(3か月ごと)
・社員の入退室ログを月次で確認(異常アクセスや未登録ユーザーがいないか)
・スマートロック/カメラのファームウェア更新
・権限見直し(退職・異動者のアクセス権削除)
・年1回のセキュリティ棚卸し・防災訓練
この章のまとめ
オフィス移転のセキュリティ対策は、「一度きりの工事」ではなく、継続的な運用設計が鍵です。
・チェックリストで抜け漏れ防止
・14日スケジュールで効率導入
・運用開始後も定期点検・改善ループを回す
これらを実践すれば、移転初日から安全で快適なオフィス環境を維持できます。
8.主要製品の比較表(簡潔版)
オフィス移転にあわせて導入を検討したい入退室管理・スマートロックシステムには、さまざまな製品があります。ここでは、代表的な国内法人向けシステムを「導入規模・特徴・費用感」の3軸で比較します。(※価格は参考目安・税別。詳細は各公式サイトをご確認ください。)
主要スマートロック/入退室管理システム一覧
| 製品名 | 初期費用 | 月額費用 | 対応認証方式 | 向いている規模 | 主な特徴 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| iDoors(株式会社A.T.WORKS) | 約20万〜/扉(工事込み) | 約11,000円〜/扉 | 暗証番号/ICカード/スマホ/顔認証 | 中〜大規模オフィス | 電気錠タイプで安定稼働。複数拠点のクラウド一元管理に対応。顔認証など多要素認証も可能。 | |
| ALLIGATE(株式会社アート) | 約20万〜/扉(工事込み) | 約16,500円〜/扉 | 暗証番号/ICカード/スマホ | 中規模オフィス | LTE通信内蔵でネットワーク工事不要。勤怠や防犯カメラ連携が可能。 | |
| カギカン(Qrio株式会社) | 工事不要/0円〜 | 約4,500円〜/月 | 暗証番号/ICカード/スマホ | 小〜中規模・賃貸向け | 初期コストゼロで導入可能。後付け型でスモールスタートに最適。 | |
| bitlock PRO(株式会社ビットキー) | 工事不要/初期費用0円 | 約5,000円〜/扉 | スマホ/ICカード/暗証番号/顔認証(オプション) | 小〜中規模 | 工事不要。LTEモデル標準搭載でオフライン対応。顔認証オプションあり。 | |
| Akerun(株式会社Photosynth) | 工事不要/要工事選択可 | 約17,500円〜/扉 | スマホ/ICカード/暗証番号/NFC | 小〜大規模 | クラウド連携に強く、API経由で外部システム連携がしやすい。UI/UX評価が高い | |
| SECURE AC(株式会社セキュア) | 約30万〜/扉(工事込み) | 要問い合わせ | 顔認証/ICカード/スマホ/QRコード | 大規模オフィス・研究施設 | AI顔認証+多拠点一元管理。セキュリティ強度が非常に高く、上場企業の導入実績多数。 | |
| アマノ TimePro-XG(アマノ株式会社) | 約30万〜/扉 | 要問い合わせ | ICカード/暗証番号/生体認証 | 大規模オフィス・工場 | 勤怠管理と連携。災害時の一斉解錠など、企業リスク対策機能を標準搭載。 | |
比較のポイント
・導入スピード重視なら:「カギカン」「bitlock PRO」「Akerun」などの後付け型(電子錠)が有利。
・安定稼働・高セキュリティ重視なら:「iDoors」「SECURE AC」「アマノ」などの電気錠タイプが最適。
・多拠点管理や勤怠連携をしたい場合は、クラウド型+API対応のシステムを選ぶと後の拡張が簡単。
導入前に確認すべき3つの視点
1.工事の可否:賃貸なら電子錠、長期入居なら電気錠が基本。
2.連携の有無:勤怠/会議予約/来訪システムと繋げたいか。
3.コストと運用体制:初期費用+月額+保守で総額比較を。
この章のまとめ
オフィス移転時のシステム導入では、
・「スモールスタート」(電子錠)でまず試す
・成功したら「本格運用」(電気錠+クラウド連携)に移行
この2ステップで進めるのが、最もコスト効率が高く安心です。
9.オフィス向けスマートロック 導入事例(iDoorsで実現する3つの改善)
オフィス移転時に入退室管理を見直す企業が増えています。その中でも、**電気錠タイプ(有線・電源供給式)で安定稼働する「iDoors」**は、長期運用・高セキュリティを求める企業から選ばれています。ここでは、よくある3つの課題と「iDoors」による解決事例を紹介します。
①鍵管理の手間をなくし、退職者対応も自動化(ITベンチャー/30名規模)
課題:物理鍵の受け渡しや紛失、退職者の回収漏れが頻発。
導入後:「iDoors」を採用し、全社員の入退室をクラウドで一元管理。社員の入室はICカードや暗証番号で行い、権限はクラウド上で即時削除。
結果:鍵の紛失リスクがゼロになり、総務の管理工数を大幅削減。
ポイント:
iDoorsは電気錠タイプなので、電池切れや通信不安定の心配がなく、毎日確実に扉を制御できる“安定運用型システム”です。
②来訪者の入館を効率化し、受付レス化を実現(人材サービス企業/150名規模)
課題:来訪対応に人手がかかり、社員が受付業務に追われていた。
導入後:iDoorsを来訪予約システムと連携。事前にQRコードを発行し、来訪者は自動チェックイン。
結果:受付業務が不要になり、来訪履歴もクラウドに自動保存。
ポイント:
iDoorsは勤怠・来訪システムなど外部ツールとAPI連携が可能。セキュリティ強化と同時に、業務効率化も実現します。
③複数拠点をクラウドで一元管理(スタートアップ/80名規模)
課題:拠点ごとに異なる入退室システムを使っており、管理が煩雑。
導入後:「iDoors」クラウド管理に統一し、すべての拠点を本社で一元管理。
結果:どの拠点でも共通ルールで運用でき、監査・勤怠確認・遠隔解錠がスムーズに。
ポイント:
電気錠+クラウド連携により、安定稼働×遠隔操作を両立。複数拠点や出張先からでも、リアルタイムで扉の状態を確認できます。
iDoorsが選ばれる理由
| よくある課題 | iDoorsでの解決ポイント |
|---|---|
| 鍵の管理を簡単にしたい | クラウドで付与・削除が即時反映。物理鍵は不要。 |
| 来訪者管理を効率化したい | QR・予約連携で受付レス化。履歴も自動保存。 |
| 拠点をまとめて管理したい | クラウド一元管理+遠隔解錠で複数拠点対応。 |
| 電池切れ・通信不安を避けたい | 有線接続の電気錠タイプで安定稼働。 |
導入を検討している企業へ
オフィス移転は、セキュリティを“ゼロから最適化できる”貴重なチャンスです。
iDoorsなら、
・電気錠タイプの安定稼働(電池交換不要)
・クラウド管理で遠隔操作・監査も可能
・来訪者管理・勤怠・予約システムとの連携にも対応
企業規模を問わず、安心と効率を両立する入退室管理を実現します。
10.まとめ
オフィス移転は、単なる“引っ越し”ではなく、セキュリティと働きやすさを一度に見直せるチャンスです。古い鍵管理・煩雑な勤怠処理・来訪者対応のムダを、このタイミングでまとめてデジタル化すれば、移転後のオフィスは「安全」だけでなく「効率的」な環境へと進化します。
セキュリティ強化のポイントおさらい
・鍵の紛失や貸し借りをなくす → クラウド型入退室管理システムを導入
・拠点ごとの管理を一本化 → クラウド上で一元管理
・来訪者・勤怠・監査対応も効率化 → API連携・ログ自動保存
iDoorsでできること
オフィス移転時におすすめしたいのが、電気錠タイプのクラウド入退室管理システム「iDoors」です。
・電気錠タイプだから電池切れ・通信不安定の心配なし
・クラウド管理で複数拠点・勤怠・来訪管理をまとめて一元化
・API連携により予約システムや勤怠システムともスムーズに連携可能
・安定稼働×高セキュリティで長期運用にも最適
小規模オフィスから大企業・研究施設まで、すでに多くの企業がiDoorsで「安全と効率」を両立しています。
無料相談・デモ受付中
オフィス移転の準備段階から、最適なセキュリティ構成を無料でご提案いたします。
・導入規模に応じた費用シミュレーション
・現地調査・既存設備との連携プラン
・操作性を体験できるデモデバイス貸出
(導入事例・料金プラン・無料相談の詳細はこちら)
最後に
オフィス移転は、企業にとって「新しいスタート地点」です。その第一歩を安全かつスマートに踏み出すために、“入退室のデジタル化”=iDoorsをぜひ検討してみてください。これからのオフィスは、“鍵を探す場所”ではなく、“安心して働ける場所”へ。






