入退室管理システムの費用対効果(ROI)徹底解説|計算方法と改善効果を事例で学ぶ

公開日:2026/01/08
入退室管理システムの費用対効果(ROI)徹底解説|計算方法と改善効果を事例で学ぶ

はじめに
入退室管理システムの導入を検討する際、多くの企業、特に中規模以上の組織で課題となるのが「投資の正当性」です。多機能で高価なシステムほど、その費用に見合う効果があるのかを客観的な数値で示すことが、稟議承認の鍵となります。

そこで重要になるのが、費用対効果(ROI:Return on Investment)という指標です。ROIを算出することで、「このシステムは単なるコストではなく、将来の利益を生む戦略的投資である」ことを明確に説明できます。

本記事では、入退室管理システムの導入におけるROIの具体的な計算方法から、セキュリティ向上や業務効率化といった効果を数値化するテクニック、そして規模別の導入シミュレーションまで、実用的な情報を事例を交えて徹底解説します。

入退室管理におけるROIとは?

ROI(投資対効果)とは、投資した費用に対してどれだけの利益が生まれたかを示す指標です。計算式は非常にシンプルです。

ROI(%)= (導入による利益 ÷ 投資額) × 100

この計算式を、入退室管理システムの文脈に当てはめてみましょう。

・投資額:システム導入にかかる初期費用と、月額費用や保守費用などのランニングコストの合計です。
・利益:システム導入によって得られる効果を金額換算したものです。これには、「コスト削減効果」と「損失削減効果」の2つの側面があります。

重要なのは、鍵の管理業務削減といった直接的なコスト削減だけでなく、情報漏洩リスクの低減といった「見えにくい効果」も金額に換算し、利益として計上することです。これにより、システムの真の価値を評価できます。

【3ステップ】ROIの具体的な計算方法

それでは、実際にROIを算出する手順を3つのステップで見ていきましょう。

ステップ1:投資額(コスト)を算出する

まず、システム導入にかかる総コストを洗い出します。これには初期費用とランニングコストが含まれます。

費用の種類 内訳 費用の目安
初期費用 端末費用(リーダー等)、制御装置、サーバー費用、設置工事費、設定費用 数十万円〜数百万円
ランニングコスト クラウド利用料、保守費用、ICカード追加費用 数万円〜数十万円(月額)

これらの費用は、導入規模や選択するシステム(クラウド型かオンプレミス型か)によって大きく変動します。

ステップ2:導入効果(利益)を金額換算する

次に、システム導入によって得られる効果を、具体的な金額に換算します。これがROI計算で最も重要なプロセスです。

効果1:業務効率化による人件費削減
最も分かりやすく、かつ効果が大きいのが管理業務の効率化です。

・鍵の管理業務の削減:物理的な鍵の貸し出し、返却、紛失時の対応といった業務が不要になります。

・入退室記録の自動化:手作業での記録やExcelへの転記作業がなくなります。

・勤怠管理の効率化:勤怠管理システムと連携すれば、打刻漏れの確認や集計作業が大幅に削減されます。

【計算例】 1日の削減時間 × 営業日数 × 担当者の時給 = 年間人件費削減額

例えば、1日あたり1.5時間の業務が削減できた場合、年間では約112.5万円(時給3,000円、年間250営業日)もの人件費削減に繋がります。

効果2:セキュリティ向上による損失削減
セキュリティインシデントによる損失は、企業の存続を揺るがしかねません。入退室管理システムは、これらのリスクを低減することで、将来発生しうる莫大な損失を防ぎます。

・情報漏洩リスクの低減:不正侵入による機密情報や個人情報の漏洩を防ぎます。仮に情報漏洩が発生した場合、損害賠償やブランドイメージの失墜により、数千万円から数億円規模の損失が発生する可能性があります。

・物理資産の盗難防止:高価な機器や備品の盗難を防ぎます。

これらのリスク発生確率と想定される損害額を掛け合わせることで、年間の期待損失削減額を算出できます。

効果3:物理的な鍵の管理コスト削減
物理的な鍵の運用には、目に見えるコストも発生しています。

・鍵の交換・複製費用:従業員の入退社に伴う鍵の交換や、紛失時のシリンダー交換には、1回あたり数万円〜数十万円の費用がかかります。

・鍵の購入費用:新しいオフィスやエリアの鍵を追加する際の費用も不要になります。

ステップ3:ROIと投資回収期間を算出する

ステップ1と2で算出した数値を、ROIの計算式に当てはめます。また、何年で投資額を回収できるかを示す「投資回収期間」も合わせて算出すると、より説得力が増します。

投資回収期間(年)= 投資額 ÷ 年間利益

【規模別】ROIシミュレーション事例

ここでは、中規模オフィスと大規模オフィスの2つのモデルケースで、3年間のROIをシミュレーションしてみましょう。

ケース1:中規模オフィス(従業員100名、5扉)

項目 金額(3年間)
投資額 330万円
(内訳)初期費用 150万円
(内訳)ランニングコスト 180万円(60万円/年)
導入効果(利益) 637.5万円
(内訳)人件費削減 337.5万円(112.5万円/年)
(内訳)鍵管理コスト削減 60万円(20万円/年)
(内訳)その他効果 240万円(80万円/年)
純利益 307.5万円
ROI 93.2%
投資回収期間 約1.6年

ケース2:大規模オフィス(従業員500名、15扉、複数拠点)

項目 金額(3年間)
投資額 1,040万円
(内訳)初期費用 500万円
(内訳)ランニングコスト 540万円(180万円/年)
導入効果(利益) 2,362.5万円
(内訳)人件費削減 1,012.5万円(337.5万円/年)
(内訳)鍵管理コスト削減 300万円(100万円/年)
(内訳)その他効果 1,050万円(350万円/年)
純利益 1,322.5万円
ROI 127.2%
投資回収期間 約1.3年

このように、規模が大きくなるほど、業務効率化によるスケールメリットが働き、ROIはさらに高くなる傾向にあります。

数値化できない「無形の効果」も忘れずに

ROIは強力な説得材料ですが、数値化しにくい「無形の効果」も稟議書に盛り込むことで、多角的な視点から導入のメリットを伝えられます。

従業員の満足度と安心感の向上:セキュリティの整った環境は、従業員のエンゲージメントを高めます。

企業ブランドと社会的信用の向上:高度なセキュリティ対策は、取引先や顧客からの信頼に繋がります。

コンプライアンス体制の強化:ISMS認証の取得や監査対応がスムーズになり、ガバナンス強化をアピールできます。

緊急時の事業継続性(BCP)向上:災害時などに誰がどこにいるかを正確に把握し、安否確認や避難誘導を迅速に行えます。

ROIを最大化するための4つのポイント

クラウド型システムを選ぶ:初期費用を大幅に抑えられ、投資回収期間を短縮できます。

既存システムと連携させる:勤怠管理や人事システムと連携することで、相乗効果が生まれ、利益が最大化します。

段階的に導入する:まずは重要度の高いエリアから導入し、効果を測定しながら全社展開することで、リスクを抑えつつ投資を最適化できます。

補助金・助成金を活用する:IT導入補助金などを活用すれば、実質的な投資額を大幅に削減できます。

まとめ

入退室管理システムは、もはや単なる「鍵」ではありません。セキュリティ強化、業務効率化、コンプライアンス対応といった多岐にわたる経営課題を解決する「戦略的IT投資」です。

今回ご紹介したROIの計算方法と効果測定の視点を活用し、客観的なデータに基づいて導入のメリットを明らかにすることで、スムーズな意思決定とプロジェクトの成功に繋がるはずです。

まずは自社の課題を洗い出し、どれほどの効果が期待できるのか、一度シミュレーションしてみてはいかがでしょうか。

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