近年、オフィスや自宅のセキュリティ強化のため、電気錠や電子錠の導入が注目されています。従来の物理鍵では、鍵の紛失や閉め忘れによるリスクがつねにつきまといましたが、電気錠や電子錠は電気の力で施錠・解錠を行えます。本記事では、それぞれの違いを解説し、メリット・デメリットもくわしく紹介します。
電気錠と電子錠の違い
「電気錠」と「電子錠」は名前こそ似ていますが、その仕組みや運用方法に違いがあります。電気錠と電子錠はどちらも電気の力を使って鍵を操作しますが、電力の供給方法に大きな違いがあります。電気錠は、配線ケーブルから直接電気を供給して施解錠を行うものです。
反対に、電子錠は内蔵の電池から電気を供給して施解錠を行うタイプになります。つまり、電気錠は設置時に配線工事が必要ですが、電子錠は電池式のため工事不要で設置可能です。
そのため、導入の手軽さでは電子錠が有利ですが、長期的な運用や外部システムとの連携を重視する場合は電気錠が向いているでしょう。次項では、電気錠と電子錠のそれぞれのメリット・デメリットをよりくわしく解説します。
電気錠のメリット・デメリット
近年、オフィスや商業施設、集合住宅などで注目を集めている「電気錠」は、従来の物理鍵に代わるセキュリティシステムとして、多くのメリットをもっています。
電気錠のメリット
まず、電気錠の大きなメリットのひとつは、遠隔で扉の施解錠ができる点です。これにより、従来必要だった「鍵当番」や「出勤して鍵を開ける」といった手間が不要になります。たとえば、インターホンと連携することで、訪問者が来た際に事務所から玄関の鍵を遠隔で開錠できるため、移動の手間を大幅に削減可能です。
また、クラウド型の電気錠であれば、鍵当番がオフィスに出社しなくても施解錠が行えるため、業務効率の向上にもつながります。次に、鍵を持ち歩かなくてよいことも大きなメリットです。電気錠は、ICカードやテンキー入力、生体認証、スマートフォンでの施解錠に対応しており、物理鍵をもつ必要がありません。
これにより、鍵の紛失リスクが減り、日常的な持ち物も減らせます。さらに、ICカードであれば定期入れや財布で管理できるため、鍵を忘れて入室できないといったトラブルも最小限に抑えられます。
また、電気錠は入退室管理と連携できる点も注目されます。入退室管理システムと連携することで「誰が何時に入退室したか」というログを自動で記録でき、勤怠管理の一部も自動化可能です。働き方改革関連法では労働時間を客観的に記録することが企業に義務付けられており、この点でも電気錠は重要な役割を果たします。
さらに、権限設定がかんたんにできることも見逃せません。クラウド型電気錠であれば、Web管理ツールからユーザー情報や入退室権限をいつでもどこでも変更可能です。ICカード紛失時には、そのカードのみを無効化でき、ゲスト向けに一時的な権限を付与することも容易です。
その結果、物理鍵の交換といったコストも削減できます。加えて、配線から直接給電されるため電池切れの心配が少ない点や、能入退室管理システムやIoT機器と連携可能な点もメリットとして挙げられます。防犯だけではなく、勤怠管理や入退室履歴の管理を効率化できるのは、企業にとって大きな利点です。
電気錠のデメリット
一方で、電気錠にはデメリットも存在します。配線ケーブルを通して給電するタイプは、設置に工事が必要であり、停電時に動作しない製品では閉じ込めのリスクがあります。
また、製品によっては屋外での使用に適さない場合もあります。電気錠には「通電時解錠型」や「通電時施錠型」など種類があり、セキュリティレベルや用途に応じて適切な製品選びが重要です。特に、緊急脱出経路には停電時でも解錠されるタイプの導入が推奨されます。
電子錠のメリット・デメリット
「電子錠」は、既存ドアのサムターンに取り付けるだけで使用可能なため、設置工事が不要で手軽に導入できるのが特徴です。
電子錠のメリット
電池式で動作するため、停電時でも問題なく稼働し、災害がおきた場合でも安心です。配線工事不要で、かんたんに取り付けられる手軽さも魅力といえます。電池もコンビニや家電量販店で入手可能なので、個人宅や小規模オフィスに適しています。
電子錠のデメリット
まず電子錠のデメリットのひとつとして挙げられるのが、内部電池が切れると施解錠できなくなる点です。製品によっては、電池残量が少なくなると自動で施錠しなくなるものもあり、注意が必要です。
また、個人で取り付ける場合、ドアのサムターン規格が合わない、裏表の位置に穴を開けられない、粘着テープが扉に付かないなどのトラブルが発生することがあります。プロのサポートを受けられる電気錠に比べると、設置前の下調べや確認作業が重要になります。
まとめ
まとめると、電気錠は遠隔施解錠や入退室管理との連携、権限設定の柔軟性など、企業やオフィスに向いた利便性が高いシステムです。一方、電子錠は設置が手軽で停電にも強く、個人宅や小規模施設に適しています。しかし、電池管理や取り付けの精度には注意が必要です。用途や設置場所、求めるセキュリティレベルに応じて、電気錠と電子錠を選び分けることが重要です。それぞれのメリット・デメリットを理解したうえで最適なものを選ぶことが、セキュリティと利便性の両立につながります。






