【決定版】入退室管理システムの選び方2025

公開日:2025/09/19
【決定版】入退室管理システムの選び方2025

「とりあえず“おすすめ7選”を見ても、結局どれが自社に合うの?」
多くのご担当者が最初にぶつかる壁です。実は、入退室管理システムは“どれが一番強いか”よりも、“自社の環境にどう合わせるか”で満足度が決まります。本稿では専門用語をできるだけ噛みくだき、迷わないための地図をお渡しします。最後に費用の目安と回収の考え方もまとめました。

迷いを減らす「3つの判断軸」

最初に決めるのはたったの3つです。ここが固まれば、候補は自然に絞られます。
① 工事の可否(配線できるか)
賃貸オフィスなどで原状回復の制約が強い場合は、配線を必要としない後付け型(電池で動くスマートロック)が向きます。新築や自社ビルで配線が許されるなら、電気錠+コントローラ(有線)のほうが安定性やセキュリティ面で有利です。

②規模(扉数・拠点数)
1〜数扉の小規模なら“とにかく速く・簡単に”始められる構成が得策。扉が増える、拠点が複数になる、という前提があるなら、クラウドで一元管理できることが重要になります。

③ 連携の必要性
勤怠システム、受付・来訪者管理、会議室予約、ID管理(SSO/IdP)などとつなげる予定があるか。連携を見込むなら、APIが公開されている製品を選ぶと後から困りません。
補足:多拠点運用やAPI連携、監査ログの厳格さが求められる環境ではiDoorsが適合しやすい傾向があります。

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導入の目的別に“何を基準に選べば失敗しないか”を整理。価格や運用のしやすさも比較表で一目。迷ったらここから。

現場を“言語化”する:要件チェック表の使い方

ベンダーに問い合わせる前に、次の観点だけ自社の言葉で埋めてみてください。このメモが、見積もりの精度を一気に上げます。
扉と人の動き:何枚の扉を、誰が、いつ使うのか。たとえば「社員は平日9–20時」「配送業者は平日午前のみ」など。

チェック項目 具体的なポイント
扉と人の動き 何枚の扉を、誰が、いつ使うのか。たとえば「社員は平日9–20時」「配送業者は平日午前のみ」など。
認証方法 カード/スマホ/暗証番号/QR/顔・指紋。貸し借りリスクの大きさや衛生面を踏まえて。
権限の配布と失効 入社・退職や部署異動のたびに、担当者がどれだけ手間なく操作できるか。
監査ログ いつ・誰が・どの扉を通ったか。何年分を、どの形式で残す必要があるか(Pマーク/ISMS対応など)。
アラート こじ開け、開けっ放し、連続失敗などを、誰にどう通知するか(メール/Slack等)。
非常時(BCP) 停電時は“安全優先で解放”か“施錠優先”かを扉ごとに決める。
連携 勤怠・受付・予約・カメラ・SSOなど、何と何を同期したいのか。
工事制約 配線可否、夜間工事の可否、防火扉の扱い、見た目(美観)の要件。
目標コスト 初期いくらまで、月いくらまでなら許容か。回収期間の目安も。

この“言語化”ができていると、製品選定は当て勘ではなく比較表での判断に変わります。

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基本の考え方をやさしく解説。初学者でも要点をつかみやすい構成です。

方式の違いを体感で理解する

後付け型(電池錠×クラウド)は、賃貸オフィスやスモールスタートにぴったりです。配線が不要で、短期間で運用を始められます。電池交換の運用や扉の状態(ドアクローザーの癖、金属枠の歪み)によっては微調整が必要になることもあるため、試し導入(PoC)で“通行の気持ちよさ”を確かめるのがコツです。

有線型(電気錠+コントローラ)は、毎日大量の入退室が発生する現場や、厳格なセキュリティが必要な現場で強みを発揮します。常時施錠、アンチパスバック(すり抜け対策)、生体認証の多要素化など、ルールを“運用”ではなく“制御”で担保できるのが魅力です。代わりに、配線計画や盤スペース、ビル・消防との調整など、設計段階の準備が鍵になります。

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配線不要でスピーディに導入。賃貸オフィスや原状回復が必要な環境に向きます。

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高いセキュリティや常時施錠が必要な現場向け。有線ならではの安定運用を解説。

規模が変わっても破綻しない“設計の型”

最初は1拠点でも、拠点や扉は増えがちです。そこでおすすめなのがロール(役割)ベースの権限設計。
「営業ロールはA・B扉に平日9–20時、総務ロールは全扉に24時間」など、人ではなく役割に入室権限を付けると、入退の棚卸しや退職者の失効が格段に楽になります。多拠点ならロールを共通化し、本部が一元管理できるように整えておくと、監査対応もブレません。

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勤怠・受付・予約・カメラなど社内システムとつなげたい方向け。連携の可否と方法をやさしく解説。

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入退室データを勤怠に活かす設計のコツを、具体例とともに紹介。

連携で“入退室データ”は資産になる

入退室データは単独で完結させるより、勤怠・受付・会議室予約・ID管理(SSO)とつながったときに真価を発揮します。
たとえば、来訪者に事前にQRコードを送り、受付に並ばず入館。入室と同時に会議室の開始を自動記録――こうした体験は、総務や受付の負荷を下げつつ、セキュリティも上がる好例です。APIが公開されている製品を選ぶと、後からの拡張がスムーズです。多拠点やAPI前提の設計なら、ここでもiDoorsは候補に挙がりやすくなります。

関連リンク|iDoors
多拠点の一元管理やAPI連携に強いクラウド型。監査に必要なログ出力も充実。全国展開や連携前提の企業に相性良好。

関連リンク|Akerun
配線工事が難しいオフィスでも導入しやすい後付けタイプ。スピード重視でまずは始めたい場合の候補に。

関連リンク|bitlock PRO
スマホ解錠中心のシンプル運用に向く。コストと手軽さを両立したい小〜中規模オフィスに。

費用の目安と回収の考え方(2025年時点)

価格は扉の種類や建物ルールで大きく変わります。感覚を掴むための“いまの相場”を示します(±50%の振れ幅は想定してください)。

構成タイプ 初期機器(/扉) 工事(/扉) 月額の目安 向いている場面
後付け・電池錠×クラウド 3〜10万円 1〜5万円 2,000〜5,000円/扉(または1〜3万円/拠点) 賃貸・小規模・スピード重視
有線・電気錠+コントローラ 15〜50万円 5〜20万円 2,000〜8,000円/扉 中〜大規模・高セキュリティ
生体認証の追加 +10〜40万円/台 +2〜10万円 +1,000〜3,000円/扉 なりすまし対策や監査が厳格

回収の考え方(例)
月に20時間の受付・鍵管理工数が削減でき、人件費が3,000円/時なら6万円の効果。運用費2万円を引けば4万円が実質効果。初期80万円なら20ヶ月で回収、という目安です。これに事故・紛失・不正の抑止(目に見えにくいが大きい)を上乗せして評価します。

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費用を抑えつつ効果を出す優先順位づけや、導入時のチェックリストをまとめています。

2つの現場ストーリーでイメージを固める

コワーキング運営A社(賃貸・スピード最優先)
A社は会員入れ替えが激しく、内装工事の申請も厳しい。選んだのは後付け×クラウド。入会時にスマホ認証を配布し、退会と同時に自動失効。来訪はQRで受付レス。導入は短期間で完了し、カギの受け渡し・回収の負担が消えたことで、スタッフの残業が目に見えて減りました。

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無人運営に必要な機能を実例ベースで解説。QRや会員管理との合わせ技も紹介。

多拠点B社(監査が厳しい製造業)
全国の工場を束ねるB社は、有線×クラウドで統一。ロールを本部で共通化し、監査ログは3年保持。勤怠・来訪者・会議室とAPIでつなぎ、社員の入退の棚卸しを自動化。監査前の突貫作業がなくなり、内部統制の“安心感”が投資の元を取ったと評価されました。

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製造現場での“守るべき扉”と“例外対応”を中心に、実運用に効く設計を解説。

導入までの道のり(つまずきポイントも一緒に)

まずは現地確認です。扉の種類(防火扉かどうか)、電源と配線ルート、盤の置き場、ビルの工事ルールを把握します。次に、本稿の要件メモをRFPに落とし、1扉での試し導入へ。ここで“通行の体験”と“アラート・ログの使い勝手”を確かめます。
設計段階では、停電時にどうするか、退職者の失効をどう自動化するかを明文化してください。工事申請や消防確認は早めに。テストではこじ開け・開けっ放し・連続失敗・オフラインをあえて起こして、運用手順を固めます。ここまでできれば、移行はスムーズです。

関連リンク|オフィス向けの入退室管理システム7選
はじめての選定でも安心。よくある失敗とチェックポイントを、オフィスの実情に合わせて解説。

最短ルートは“設計を先に決める”

・工事の可否/規模/連携の3点を先に決める。
・要件を自社の言葉で書き出し、小さく試してから広げる。
・多拠点やAPI前提、監査ログが重要ならiDoorsが選択肢に入りやすい。

この順番で進めれば、「おすすめ7選」に振り回されることなく、自社にフィットする構成にたどり着けます。次の一歩は、今日このあと要件メモを10分で書き出すことです。そこから、最短で前に進みましょう。

関連リンク|iDoors
多拠点やAPI連携、監査ログが重要な企業に。導入後の運用まで見据えた構成例を掲載。

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貸し借り防止やなりすまし対策を強化したい施設向け。マスクや照度など運用ポイントも解説。

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無人運営で必要な機能を厳選。会員入替が多い環境でも運用しやすい設計を紹介。

おすすめの入退室管理システム比較表

イメージ
サービス名
iDoorsAkerunbitlock PROALLIGATEカギカンアマノSECURE AC
特徴いつでもクラウドで入退室の管理・確認ができる!コストパフォーマンスも高い!累計導入社数7,000社以上!大規模な工事をせずともさまざまなドアに対応!圧倒的な低コストで導入可能!99%のサムターンに対応していて、通信不良にも強い!いろいろな扉や既存システムからのリプレイスに対応!社内ネットワーク構築不要!さまざまなシーンに応じた合鍵の発行が行える!入退室履歴がしっかり残る!各種ネットワーク環境にスムーズに導入できる!入室規制をすることも可能!設置環境やコストなどの要望に合わせて認証方式を組み合わせられる!
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【FAQ】よくある質問

  • 入退室管理システムの耐用年数は?
  • 入退室管理システムの耐用年数については、国税庁が6年と定めているようです。
  • 入退室管理システムはどんな認証方法がありますか?
  • ICカード、スマートフォン、生体認証など、さまざまな認証方法があるようです。
  • どんな所の設置が多いですか?
  • 事務所の出入り口が多いようですが、事務所内の開発室やサーバー室などの重要エリアにもカードリーダーを設置し、許可者以外の入室を制限することもできるようです。
  • 工事費はかかりますか?
  • 製品によっては工事費はかからないようですが、ドアの形状や錠の種類により錠の交換や専用部品の購入が必要な場合もあるようです。
  • もし停電が起きた場合、入退室管理システムはどうなりますか?
  • 電池駆動の場合は突然の停電でも、通常と同じように利用できる場合が多いようです。
  • 静脈認証と他の生体認証とは何が違うのですか。
  • 指紋認証、顔認証、手形認証、虹彩認証、声紋認証などがほかにあるようです。静脈認証は血管という人間の体内にある組織なので、簡単に他人に知られることがないため、偽造が極めて難しく、実用性が高いと考えられるようです。
  • 事前にトライアルできますか?
  • 可能な場合が多いようです。
  • オンプレミス型かクラウド型の違いは?
  • オンプレミス型は自社でシステムを運用するため、セキュリティ管理に強みがありますが、初期費用や運用費用が高くなる傾向があるようです。一方、クラウド型はインターネット経由で利用するため、初期費用や運用費用を抑えられ、導入も容易ですが、セキュリティ管理に不安を感じる場合もあるようです。