セキュリティが日々厳重化する現代において、企業や施設での「共連れ」問題は見過ごせないリスクとなっています。共連れとは、許可された人物と一緒に未許可の人物が施設に入る行為です。これが様々なセキュリティ問題を引き起こす可能性があります。本記事では、共連れの定義、その防止策のメリットとデメリットなどについて解説します。
「共連れ」とは?
共連れとは、入室許可者がドアやゲートを開けた瞬間に、立ち入り制限されている人が一緒に入室する行為を指します。この行為には、入室許可者が意図的に第三者を招き入れるケースと、許可を得ていない人が勝手に入室するケースの2つが存在します。
共連れは、情報漏洩やシステムの不正操作といったリスクがあるため、企業においては厳格な共連れ防止策が求められていること間違いないです。
入室許可者が意図的に第三者を招き入れるケース
アクセス権をもつ人が意図的に他人を同行させるケースです。たとえば、社内の施設にアクセス権をもつ社員が、アクセス権のない同僚を無断で同行させる場合があります。これにより、セキュリティの脆弱性が生じ、機密情報の漏洩や不正アクセスのリスクが高まるのです。
許可を得ていない人が勝手に入室するケース
もうひとつは、アクセス権をもたない人が無断で他人と共連れしようとするケースです。これは、第三者がアクセス許可をもつ人になりすまして侵入しようとするケースが考えられます。たとえば、セキュリティカードを盗んで不正にアクセスを試みるのです。これにより、組織のセキュリティが危険にさらされる可能性があります。
共連れ防止策を行うにあたって発生するメリット・デメリット
本章では、共連れ防止策を行うにあたって発生する可能性があるメリット・デメリットについてそれぞれ解説していきます。
共連れ防止策を行うメリット
最初に挙げられるメリットは、セキュリティの強化です。共連れ防止策を導入することで、不正アクセスや情報漏洩のリスクを劇的に低減するでしょう。また、法的リスクの軽減も重要なメリットです。セキュリティの強化により、法的問題を未然に防ぐ役割を果たすことができます。
さらに、従業員の安心感を向上させる効果もあるでしょう。確固たるセキュリティ対策が取られている環境では、従業員が安心感を抱き、仕事に集中しやすくなります。また、セキュリティに対する取り組みが透明になることで、ビジネスの信頼性も向上するでしょう。
入退室管理システムの導入によって、監視と管理の効率化も実現します。従来の人手による監視や管理作業が減少し、業務の効率向上につながるのです。
共連れ防止策を行うデメリット
まず、初期費用の高さが挙げられます。高度なセキュリティシステムを導入するには、初期投資が必要です。また、運用コストもデメリットとして考えられます。システムの運用・維持には継続的な費用がかかるのです。
さらに、厳格なセキュリティ対策は、利便性の低下をもたらす可能性があります。従業員や訪問者にとって手続きが煩雑に感じられることがあります。技術的な問題もデメリットのひとつです。システムに障害が発生した場合、復旧に時間がかかるリスクが存在します。
加えて、従業員の認識や操作ミスによって共連れが発生する可能性もあります。どれだけ高度なシステムを導入しても、人的ミスはゼロにはなりません。
共連れの防止にはどんな防止策がある?
共連れ防止策は、組織や施設のセキュリティを強化する重要な手段です。以下に、効果的な共連れ防止策を5つ紹介します。
セキュリティゲートの設置
最初に挙げるのは、セキュリティゲートの設置です。セキュリティゲートは、入室許可者のみが通過できるよう設計されています。生体認証やICカード、顔認証などの高度な認証手段を導入することで、不正な共連れを防ぐことができるでしょう。
とくに、フラッパー式やアーム式のゲートは、一度に一人しか通過できない設計で、効果的な共連れ防止に貢献します。
アンチパスバック機能の採用
次に、アンチパスバック機能の採用です。この機能は、一度入室した人が再度入室する前に退室する必要がある仕組み。これにより、同じカードや認証手段を使った別の人の入室を防げます。
ビデオ監視の強化
ビデオ監視の強化も重要です。ビデオカメラを使用した監視は、共連れが発生した際の証拠収集に役立ちます。高解像度のカメラを用いて、入退室する人物を詳細に記録することで、事後の確認が容易です。
リアルタイム監視システムの導入により、共連れを素早く検知し対処できる能力も向上します。
従業員の教育と意識向上
従業員教育と意識向上も欠かせません。高度なセキュリティシステムだけでなく、従業員のセキュリティ意識を高めることが不可欠です。定期的な研修や情報共有を通じて、共連れ防止への意識を浸透させましょう。
ゲスト管理の徹底
ゲスト管理の徹底も重要です。事前にアポイントメントを取るシステムを導入することで、不審者の侵入を防げます。訪問者用の一時的なIDカードを発行して動線をトラッキングすることで、不正行為の早期発見が可能です。
【FAQ】よくある質問
- 停電時でも使用できますか?
- 電気錠の仕様に準拠するようです。停電時に解錠することを希望する場合は停電時に解錠する電気錠を選択する必要があるようです。
- 入退室の記録を取得することはできますか。
- 可能な場合が多いようです。
- スマートフォンでも施錠・解錠はできますか?
- スマートフォンでの解錠にも対応しているシステムも多いようです。
- 電気錠を取り付ける場合、扉を交換する必要はありますか?
- 一般的な電気錠(ソレノイド式、モーター錠)は、ある程度の扉の厚みが必要など取り付けに条件があるようです。条件を満たす場合は、扉を加工して電気錠を取り付けることができる場合があるそうです。
- 電気錠と電子錠の違いは何ですか?
- 電気錠は取り付ける際に配線工事が必要で、電子錠は配線工事不要で取り付けられるといった点が違いのようです。
まとめ
「共連れ」は、正規の入場者とは別に許可のない人が施設に同行する行為を指します。この記事では、共連れ防止策の重要性、そのメリット・デメリット、具体的な防止策について詳しく解説しました。
セキュリティの強化や不正アクセスのリスク軽減などがメリットとして挙げられますが、一方で導入コストや運用の手間もデメリットとして考慮されます。しかしながら、共連れ防止策はそのデメリットを上回る価値を提供してくれるのです。
導入には費用がかかるかもしれませんが、組織全体の安全と信頼性向上を考えると、その投資は不可欠なものといえるでしょう。ぜひ、導入の判断に際しては慎重に検討してみてください。